森岡書店 / 店主 森岡 督行
“単純と反復”で、
一つの本を選び抜き、
想いを届ける。
昭和初期に建てられた銀座一丁目の歴史的近代建造物、鈴木ビル。ここに「1冊の本を売る書店」をコンセプトにした、「森岡書店」がある。1冊だけだからこその本への理解や、作者と読者のより親密な関係を本質的な読書に繋げている。
「鈴木ビルの建築と歴史に胸を打たれ、それまで別の地域にあった店舗を銀座に移転しました。銀座に来て感じたのは、バーテンダーやテーラー、デザイナーなどそれぞれの分野で卓越した手技を持つ職人の方々が多く集まっている街だということです。僕も書店として工藝の本を扱うことが多く、そうしたクラフトマンの仕事や考え方を紹介したいという思いがあります」
本を作る編集者やカメラマン、デザイナーなど多種多様なクラフトマンと接する機会が多い森岡さん。森岡さんが思うクラフトマンシップとは何だろうか。
「最近、“単純と反復”という考え方を大切にしています。“単純”というのは、物事を引き算で考え、より物事の本質を出すという考え方。“反復”は、少しずつ差異を重ねて行い、その違いによって選択してもらうということ。作業を繰り返して熟練した技になる、少しずつ差異にむしろ大きな違いを見出す。これは森岡書店の『1冊の本を売る、それが連続している』というあり方に繋がると考えています。森岡書店で作った時間と空間が、人々の心を揺さぶるなら、それが僕が実行しているクラフトマンシップとなるのかもしれません」
「銀座は古き良き手仕事の街であるのと同時に、“新しい物に寛容で、とてもオープンマインド”と言われるが、本当にそう」と森岡さんは話す。
「多くの事例が示す通り、銀座は刷新する力が非常に強いです。一方で、職人の方々の経験と技術がしっかり根付いてもいます。この二つが共存して、銀座文化を形作っているのではないでしょうか。そして、それは銀座のシンボルである柳のようにしなやかで強い。だからこそ、カナダグースの銀座店がリニューアルするタイミングで、クラフトマンシップについて見つめ直せたのはとても良い機会でした。これから同じ銀座で働くものとして、街を盛り上げられたら嬉しいです」
森岡書店
住所:東京都中央区銀座1-28-15 鈴木ビル
TEL:03-3535-5020
森岡 督行
森岡書店店主。神田神保町の書店で働いた後、「森岡書店」として独立。近著に『ショートケーキを許す』など。
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森岡 督行
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